考えるタネと物のミカタ

たくさんの物の見方から、考えるタネが生まれて

【エッセー】未来を語るのは「言葉」じゃない

”今日の世界を把握するに、ぼくらは昨日の世界のために作られた言葉を用いているわけだ。”
 
 
サン=テグジュペリによる「人間の土地」(堀口大學訳)の一節だ。
 
過去を切り開き、現在を築いてきた「言葉」。
これから先の未来に行くためには言葉ではだめだ。
過去のものだからだ。
未来を表現しうる言葉はまだこの世に生まれていないのだ。
 
人は未知なるものと遭遇したとき、文字通り言葉を失ってしまう。
未来を語る言語は言葉ではなく「行動」でしかない。 
人間の土地 (新潮文庫)

人間の土地 (新潮文庫)