考えるタネと物のミカタ

たくさんの物の見方から、考えるタネが生まれて

【エッセー】「憧れ」は時代を反映する

 私がまだ小さいころ(1985年頃)、多くの子ども達が将来なりたかった職業は「野球選手」が多かった。その他にも、「警察官」や「消防士」。テレビや生活で接する、身近なヒーローだ。

今は「野球選手」が「サッカー選手」に変わっている。そして最近では、「ゲームクリエイター」も入ってきているようだ。第一生命では全国の未就学児及び小学生を対象に「大人になったらなりたいもの」の調査を行っている。11月には今年の調査も発表されると思われる。

 

 将来何になりたいか?この質問を海外でやってみると大変興味深い。先進国と呼ばれている国々と、途上国と呼ばれている国々では、身近なヒーローは変わってくるからだ。

 置かれている状況によって、身近なヒーローは変わる。ヒーローに求められる条件も変わってくる。 ヒーローはとにかく腕力が強くなければならない、とにかく人に優しくなければならない、もしくは人を救わなければならない、もしかしたら仲間の力を最大限に引き伸ばせなければならない等々。

 私たち大人は、子どもたちにどんなヒーロー像を見せてあげられるだろうか。ヒーローというのは、子どもたちが大人に成長していくための心の栄養だと思う。それはとっても大切なことだ。