考えるタネと物のミカタ

たくさんの物の見方から、考えるタネが生まれて

「禅」を金沢の鈴木大拙館に学び考える

 金沢にある鈴木大拙館に行ってきた。決して大きいとは言えないこじんまりとした場所である。始めに行っておくが、ここは日本人ならば絶対に行くべき場所である。なぜならば、日本人としての元来勝手に持ち合わせている「禅」の心を磨ける、つまり自分自信を磨ける場所だからだ。

 さて、鈴木大拙は「禅」について英語で説明した書籍を著して、日本の禅文化を海外に広めた方で、なによりも良いのは日本人が自ら禅を表す英語を選んで表現をして広めたことにあると思う。

 

鈴木大拙館の体験概要

 この鈴木大拙館は、来館者が鈴木大拙について知り、学び、考えることができるように展示、順路が作られていて来館者を手助けしてくれるから、美術館や博物館などが苦手だと思う人も楽しめる。入館で300円を払うと、管内においてあるリーフレットを持ち帰ることができるように、紙のバインダーを渡してくれる。それを手にまっすぐに伸びる「内部回廊」を進む。暗くて狭い回廊は、これから向き合う気持ちを整えてくれるようだ。回廊の途中にはクスノキのある庭を臨むことができて、一端通常の世界を見せてくれている。

 

 その後回廊を更に進むと、正面に鈴木大拙の肖像写真に対面する。これから「鈴木大拙」の表す世界に足を踏み入れることを改めて思考の束をまとめてくれる。その後には展示空間がある。ここでは、著書や、その原稿、また関連する作品が展示されている。鈴木大拙の表層の部分を知って、さらに踏み入っていく下準備をする。その先には、学習空間がある。彼が著した禅に関する書籍や資料を実際に読めて、「露地の庭」を見ながら理解を深めることができる。

 

 鈴木大拙を知って学ぶと、次は、「水鏡の庭」を右に見ながら外部回廊を渡る。私が訪れた日はあいにくの雨だった。だから、水鏡といっても、水面にあるのは雨の波紋。ありのままを見る心を「無心」と呼ぶのであれば、ここで残念と思ってしまっては心は「無」とは言えないのだろう。金沢は雨の多いまちなので、決して晴れた日でなければいけないということではないのだろう。回廊の先には「思索空間」がまっている。建物の中にある椅子からは、暗闇に切り取られた水鏡の庭を見ることができる。多くの来館者がいたが、それぞれに無言で何かを考えていた。そういう私はもちろん、無心ではない。

 

 鈴木大拙館の体験概要は以上であるが、周りには散策路もあるし他の記念館などもあるので併せて楽しみたい。

 

金沢のマストビジット

 館内は英語の説明や大説が著した英語の書籍もおいてあり、海外からの来館者には大変人気なようだ。実際に私が行った時には、海外からの方が圧倒的に多かった。それだけ「ZEN」の人気があるということなのだろう。受付の女性も英語で説明をしていた。

 駆け足でまわるだけなら15分もあれば回れるが、ここは考える場所だから、すくなくとも1時間の余裕をもって訪れたい。

 

 私は金沢に来るときは必ず行きたい場所リストに入れましたよ。人気がでて大混雑する前に行って頂きたいです。考える場所ですからね。 

鈴木大拙館オフィシャルページ

禅学入門

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