考えるタネと物のミカタ

たくさんの物の見方から、考えるタネが生まれて

世界の大数学者「岡潔」の深い名言:「人間の建設」より

 最近この数学者にハマっている。岡潔(おかきよし)である。

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出典:Wikipedia

 

理系っぽくない岡潔

 ノーベル物理学賞を授賞した湯川秀樹や朝永振一郎を京都大学で教えていたり、数々の逸話を残す大数学者である。一方で、晩年には京都産業大学にて「日本民族」を担当するなど、情緒の大切さを説き、今で言うところの「本当に理系なの?」「理系っぽくない」という人である。

 

岡潔の思想に触れる

 私が生まれる前には他界していて書籍を通してでしか知ることはできないだが、岡潔の書籍や小林秀雄との対談「人間の建設」等、数学を通じて世の中を見てきた人の思想に触れることができる。もともと、全ての学問は自分を知り世の中を知るという哲学から派生している。学問の博士号がPh.D(Philosophiae Doctor = 哲学博士)と呼ばれていることからも分かる。理系は国語や社会の教養は要らないという風潮があるが、人間のベースとなる教養は必要であると思っていたところ、遅ればせながらこの人に出会った。今、私の中でアツい人である。この人の初期の著書「一葉舟」を古書店で購入したのもこういう経緯からだ。 

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「人間の建設」から深イイ名言紹介

 小林秀雄との対談集である「人間の建設」から深イイ名言をご紹介したいと思う。

個性的なものを出してくればくるほど、共感がもちやすいのです。

苦心を払わせるものを私は情熱といっている

言葉で言いあらわすことなしには、人は長く思索できない

足が大地をはなれて飛び上がっているようなもので、第二歩をだすことができない。そういうのを抽象的といったのです。

科学が進歩するほど人類の存在が危うくなるという結果が出る

時間は情緒に近い。

情緒を形に表すという働きが大自然にはあるらしい。文化はその現れである。

 数学を極める過程で見てきた世の中がある。数学者が語る人間とは日本民族とは、そして人生とは。理系の人も、そうじゃない人も一度はその考えに触れてみるべきだと思います。

人間の建設 (新潮文庫)

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春宵十話 随筆集/数学者が綴る人生1 (光文社文庫)

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