大人になると、どっちが上座で、みたいな事に気を遣わなければいけない場面がでてきます。毎回そういう場面に出くわした時にネットで調べてみるのだが、結局なんとなく分かったつもりで終わらしてしまうので、これを機会に備忘録としてまとめておこうと思います。
今は右上位です
結論から行ってしまいますと、今は国際儀礼に従って右上位、ということだけ覚えておいて間違いございません。読んでいる暇が無い方も多いとおもいますので、「右上位」だけ覚えておいてください。
左と右の歴史
少し時間がある方はこちらも読んでくださいね。今は右上位と書きましたけれども、歴史を見てみると左が上位だったりもします。ややこしいので本当に紐解いてみたいと思います。
右上位(大昔編)
日本の文化はお隣の大陸から入ってきています。漢の時代は右上位でした。この時生まれたと言われている言葉が、「左遷」、「右にでるものはいない」、「座右の銘」などだと言われています。この時点ではまだ右上位です。
左上位(ちょっと前編)
その後、唐の時代「天帝は北辰(ほくしん)に座して南面す」という思想がございまして、天帝から見て太陽の登る東(左)が上位、太陽が沈む西(右)が下位という考えです。この時点では「左上位」に変わっています。これが、日本の平城京、平安京に影響を与えています。京都に左京区、右京区という地名になっていることからも分かりますね。古事記にも「左」の優位性が見られます。伊邪那美命(イザナギノミコト)の三貴子誕生の場面で、左目から天照太神(アマテラスオオカミ)が生まれ、右 の目から月読命(ツキヨミノミコト)、鼻から須佐之男命(スサノオノミコト)が生まれたという場面がありますが、これは、「左」の優位性を表れのひとつだと思われます。皇太子を日嗣の皇子(ひつぎのみこ)と呼び、「春宮」や「東宮」と 書くのはこの現れです。)この考えが近代まで続きます。これがいわゆる「左上右下(さじょううげ)」です。
右上位再び
よく、左右の話題になると、ひな人形の飾りかたが話題になります。これは皇室をモデルに作ったものですから、皇室内での並び方に準じて配置されます。(以前は逆であったが)昭和天皇即位の時から国際儀礼に倣って向かって左(本人から見れば右)に上位の者が座るようになり、それをモデルにそのように配置されるようになりました。 現在もほぼ国際儀礼にのっとり、右上位となっています。
以上、国際的には右上位、日本古来の儀礼は左上位でした。
外務省が国際儀礼(プロトコール)を紹介してくれていますので、右左の問題だけでなく、他の儀礼も参考になります。
外務省: グローカル外交ネット:海外のお客様を迎えるために:プロトコールの基本
外務省: グローカル外交ネット:海外のお客様を迎えるために:プロトコールでよくあるご質問(国際儀礼の基本講座)